座ってできる腰方形筋のストレッチで腰痛を改善

座ってできる腰方形筋のストレッチで腰痛を改善

あなたは、腰方形筋って知っていますか?腰方形筋の硬さが、腰痛の一つの原因として考えられています。腰方形筋以外にも、背中や腰回りの筋肉の硬さが、多くの腰痛の原因とされています。今回は、腰痛の原因や腰方形筋の役割、自分でできる腰痛を改善するためのストレッチの方法などについて解説していきます。


腰痛の原因

あなたは腰痛の原因として、どのようなものを考えますか?ただ腰痛と言っても、様々な原因があります。腰痛の原因別に、詳しく解説していきます。

腰の筋肉が硬い場合

腰痛の多くが、腰回りの筋肉が硬いことが原因と言われています。筋肉には血流が豊富にあり、疲労物質が出ても洗い流されていきます。しかし、血流が悪くなると、血管の外に痛みを感じる物質が放出されるようになり、痛みを感じてしまいます。

血流が悪くなってしまう原因としては、腰の筋肉が常に伸ばされた状態になっていたり、常に力が入っている状態になっていたりすることなどが挙げられます。全身的に姿勢が悪いと、腰の筋肉が伸ばされる状態になっていたり、腰の筋肉に力が常に入っている状態になっていたりします。腰痛は筋肉の血流の問題とは言え、根本的な原因としては、姿勢の悪さであることが多いです。

姿勢は、全身の筋力が落ちてくると、悪くなる傾向にあります。人間の筋力のピークは、20代後半といわれています。そこからは、何かしらのスポーツや力仕事などで筋肉を使わないと、筋力は徐々に落ちてきてしまいます。四十肩なども姿勢の影響を多く受けて発症しますが、中年になってくると姿勢がくずれ、その影響が全身に波及してくることがわかると思います。

腰骨の関節が痛い場合

若い時に腰に負担がかかるような重労働ばかり行なっていると、徐々に腰の骨が変形してきてしまいます。疾患名としては、変形性脊椎症や脊柱管狭窄症などと呼ばれています。若い人には見られない疾患ですが、歳を重ねてくると、徐々に色々な方が発症します。骨が変形してくると、腰骨の関節面にも変形が見られることがあります。腰を反り返ると、腰骨の関節が噛み合うように動きますので、この時に痛みが生じます。また、捻る動きでも痛みが出る場合があるので、注意が必要です。

椎間板が痛い場合

椎間板は、腰骨の間にあるクッションのことをいいます。バームクーヘンのような構造になっており、負担がかかることにより、椎間板の繊維が切れてしまうことがあります。この傷ついた部分に痛みを感じるようになることが、椎間板が原因の腰痛です。

椎間板に負担がかかる時に痛みが生じるので、重たい荷物を持った時に痛みが出たり、前屈した時に痛みが出たりします。

椎間板と聞くと、ヘルニアを連想する人も多いと思います。椎間板ヘルニアは若い人に多い疾患ですが、年齢を重ねると、椎間板の劣化による痛みが出てくる場合があります。劣化と言うと少しおおげさかもしれませんが、加齢により椎間板の水分が抜けてきてしまう状態になります。椎間板は、その成分の多くが水分で構成されています。年齢を重ねると、体の水分量が減少してきますので、その影響で椎間板の水分も抜けてきてしまいます。すると、椎間板の柔軟性が低下し、損傷を受けやすくなります。歳をとると背が縮むとされていますが、椎間板の水分が抜けて薄くなってしまうことも、原因の一つとして考えられます。

腰方形筋の役割と腰痛との関係

腰痛の原因となる腰方形筋ですが、どのような役割があるのか解説していきます。

腰方形筋は、肋骨や腰骨〜骨盤にくっつく筋肉です。腰方形筋に力が加わると、骨盤を持ち上げる作用があります。また、深部の繊維は上半身を安定させる役割があるとされています。筋肉の走行は、腸腰筋と似ている部分もあり、相互に働きを補っているのではないかと言われています。そのため、腸腰筋の機能が低下してくると、腰方形筋の硬さが出てきてしまうとされています。

腸腰筋の働きは、骨盤を起こす作用があるため、骨盤が後ろに倒れてしまう姿勢になると、背中が丸まり、背中の筋肉や腰方形筋が持続的に伸ばされた姿勢になってしまいます。この状態が長く続くことにより、腰痛に発展していきます。

骨盤が倒れて背中が丸まってしまう原因は、腸腰筋の筋力低下だけでなく、猫背の姿勢や体の硬さも原因になります。

腰痛は治るのか?それとも一生続くのか?

腰痛は、筋肉が原因のものであれば、治る可能性が高いと考えられます。筋肉が原因の腰痛は、どれだけ筋肉の血流量を良くしてあげられるか、という視点が重要になります。そのため、筋肉が原因の腰痛には、ストレッチを行うことが重要になります。ストレッチは、硬くなった筋肉を伸ばすことにより、血流を良くする効果があると言われています。ストレッチをさらに効果的にするために、温熱効果を利用するのも良いです。具体的には、お風呂上がりにストレッチを行うと、筋肉が伸ばされる痛みも少なく、効果的に筋肉を伸ばせる可能性が高くなります。

ストレッチをすることにより、体の動く範囲が広くなりますので、姿勢もよくなる可能性があります。姿勢が良くなると、背骨のアーチが整うため負担が分散され、腰にかかる負担も軽減されます。結果として腰痛が減少していくことが考えられます。

さらに、ストレスが原因で腰痛になる人もいます。ストレッチにはリラックス効果も認められています。研究では、ストレッチをした人は入眠までの時間が短くなったとされています。ストレスに対する対処法としても、ストレッチは有効だと考えられています。

腰痛に効く手軽にできるストレッチ

ここからは腰痛に効果的なストレッチをご紹介します。

【腰痛に効果的なストレッチ①】

背中の筋肉を伸ばすストレッチ

  1. あぐらをかいて座ります。
  2. 手を頭の後ろで組んだ姿勢で前にたおします。
  3. この状態を15~20秒キープします。
  4. あぐらをかいたまま右ひじを左ひざにつけるように上半身を斜めに倒します。
  5. この状態を15~20秒キープします。
  6. これを前、左右互いにに2〜3回繰り返します。

【腰痛に効果的なストレッチ②】

腰方形筋を伸ばすストレッチ

  1. 脚を腰幅くらいに開いて座ります。
  2. 頭の後ろに手を組み、体を斜め前に倒します。
  3. 骨盤が横にスライドしないように、脚の裏がしっかりつくようにして伸ばすとより効果的です。
  4. この状態を15~20秒キープします。
  5. これを左右互いに2〜3回繰り返します。

慢性的な腰痛でもストレッチは効くのか

結論として、効果がある可能性が高いです。急性腰痛では数日の一時的な安静が必要になりますが、慢性腰痛ではストレッチを含めた運動が効果的であると、腰痛診療ガイドラインでも定められています。腰痛は、安静ではよくなりません。そのため、少しずつでも良いので、体を動かしていくことが必要になります。ストレッチは体にかかる負担も少なく、負荷量を自分でも調整できるため、腰痛が怖くて体を動かしたくない人でも、チャレンジやすいと思います。また、ストレッチの強さについてですが、強い痛みが出るまで伸ばさなくても、痛みが出るギリギリの強さのストレッチで効果があるとされています。痛くて辛いストレッチをしなくても良いので、ストレッチを続けやすいと思います。普段の日常生活にストレッチをする習慣を少しプラスするだけで、腰痛が良くなるのであれば、試さない選択肢は無いと思います。

まとめ:腰方形筋や背中をしっかりと伸ばして、腰痛知らずの体へ

今回は、腰痛の原因の中でも、腰方形筋について解説してきました。姿勢が悪くなることにより、腰方形筋や腸腰筋が伸びた状態が続き、血流が悪くなることにより、腰痛につながります。腸腰筋と腰方形筋は、体の深部にある姿勢を保持する役割がある筋肉です。これらの筋肉以外にも、姿勢を保持する機能を持つ筋肉は多く存在します。それらの筋力が弱ってしまうと、姿勢が悪くなってしまい腰痛に発展します。筋肉が硬くなってしまい、痛みが出るような状態になってしまった場合は、ストレッチが有効です。今回ご紹介したストレッチを自分でもしっかりと行って、腰痛を改善していきましょう。

自分でストレッチをすることに限界を感じた場合は、ストレッチのプロを頼ることも必要です。特に今回ご紹介している筋肉は、体の深部にあるため、自分ではしっかりと伸ばすことが難しい場合があります。そんな時は、ドクターストレッチがおすすめです。

ドクターストレッチでは、独自のコアバランスストレッチという技術を用いて、体の深部の筋肉もしっかりと伸ばすことができます。あなたは、ベッドに寝て脱力をしているだけでストレッチは完了しますので、自分でストレッチを行う時よりも、効果的に筋肉を伸ばすことが可能です。プロのトレーナーが、あなたの体の状態に合わせて100種類以上の中から適切なものを選び出し、ストレッチを行なっていきます。

腰痛は、仕事にも日常生活にも多くの影響を与える問題です。ストレッチで楽に仕事や日常生活が送れるようになるのであれば、良い投資になると思います。

参考文献

健常者と慢性腰痛者における腰方形筋の質的評価を用いた検討

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/47S1/0/47S1_B-99_1/_pdf/-char/ja

腰方形筋の代償機能についての一考察

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2008/0/2008_0_C3P3411/_pdf/-char/ja

腰痛診療ガイドライン2019

https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwjcxqqZyu30AhVYw4sBHUZ-BPYQFnoECAsQAQ&url=https%3A%2F%2Fminds.jcqhc.or.jp%2Fdocs%2Fgl_pdf%2FG0001110%2F4%2FLow_back_pain.pdf&usg=AOvVaw3B7zw3FHNK8x474wDaHCzV

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