顎関節症の自分でできる簡単セルフストレッチ

顎関節症の自分でできる簡単セルフストレッチ

あごの症状にお悩みな方は意外と多いのではないでしょうか?顎関節症は、普段の癖や姿勢、精神的な状態など、様々な影響を受けて発症する疾患です。初期はあごを動かした時に軽く音がするだけなので、軽視する人もいるでしょう。放置するとあご以外にも影響が出てきてしまう疾患なので、症状が軽いうちに改善できたり、予防ができたりすることが望ましいです。今回の記事では、顎関節症の症状や原因、予防方法、セルフストレッチなどについて解説していきます。


顎関節症(がくかんせつしょう)ってどんな症状?

あごの機能に異常が出て発症する顎関節症は、20〜40代の女性に多いとされています。通常、片方の顎にだけ発症します。初期の頃には、あごが音を伴いながら元の位置に戻る程度のことから始まります。症状が進んでくると痛みを伴うため、口の動きに制限が出てきます。この痛みや運動制限は、首の筋肉のコリを引き起こすとされています。

また、顎を動かす筋肉の神経は、ストレスとの関連があり、ストレスを受けると筋肉が硬くなってしまいます。特に頭の横にある、側頭筋という筋肉の硬さを引き起こしてしまいます。あごの関節は、左右で一組みになっていますので、左右どちらかの関節が悪くなってしまうと、反対側のあごの関節に負担がかかるようになってしまいます。


顎関節症の原因

顎関節症の原因はどのようなものがあるのでしょうか?代表的な症状の原因について解説していきます。

口を閉じられなくなる原因

顎関節症でお悩みの方に、急に口を閉じられなくなった経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか?このような経験をお持ちの方は、自分のあごの位置がずれていないかどうかの確認をしてみましょう。左右均等にあごの位置が整っていれば良いのですが、どちらかに偏っている人もいます。主に、痛みがある方へあごがずれる傾向にあります。あごがずれてしまうと、あごの関節でロッキングという症状が出てしまい、口を動かすことができなくなってしまう人もいます。

あごの動きに異常が出る原因

顎を動かした時に、左右均等に動いていますか?片側の関節の動きが悪くなっていたり、位置がずれていたりする人がいるかもしれません。あごの動きに異常が出てくる原因としては、あごの筋肉の硬さにあります。あごの片側の筋肉が硬くなってしまい、硬い方のあごの動きが悪くなってしまいます。歯に痛みがあり片側だけで噛んでいる人や、片方だけで食べ物を噛む癖がある人は注意が必要です。

あごの関節で音がする原因

あごの機能障害が出てくると、あごの関節を構成している骨や、関節円板という組織に異常が見られてきます。顎関節症の初期症状としては、関節円板という組織が一部だけ分厚くなってしまい、顎を動かす時にその部分を乗り越えることで、あごの音が出ます。また、高齢になると、あごの関節そのものに変形が生じる方もいます。

あごの関節が痛い原因

今まで紹介してきた、あごの関節や動きの異常などにより、あごの関節に炎症が生じてしまうと、痛みが出てきます。痛みはあごの関節だけにとどまらず、広範囲に痛みがおよぶことがあります。広範囲の場合だと、顔面や、首・肩にまで痛みが広がる可能性があります。特に、精神的に不安なことがある人は、顔面にも痛みが出てしまったり、口が開けづらくなってしまったりする場合があります。


顎関節症を放置するとどうなるか?

顎関節症を放置した場合、どのようなことになるのか、解説していきます。

あごを動かすと痛い

最初はあごの音だけで済んでいた症状が、徐々にあごの動きに伴って痛みが出てくるようになる方がいます。また、あごだけでなく、肩や腰が痛いと言う方もいるので、顎関節症が全身に影響を及ぼすと言うことができます。

目のかすみや、耳鳴りがする

あごの関節は目や耳に近いため、顎関節症の症状を放置してしまうと、目のかすみや耳鳴りといった症状が出てしまう人もいます。あご以外の症状に発展していかないように、早めに対処する必要があります。

顎関節症の場合は、何科にかかればよいか?

しばらく様子を見て顎関節症が治らない場合は、歯科医や口腔外科医に相談をしにいくと良いです。受診の際には、どのような症状が出ているのか、しっかりと伝えるようにしましょう。


顎関節症の予防

顎関節症の予防には、普段の生活で、どのようなことに気をつけていけば良いのでしょうか?順番にご紹介していきます。

歯を良い状態にする

歯のかみ合わせの悪さや、歯の痛みがあると、片側で噛みがちです。すると、顎の筋肉を片方だけ使うようになるため、あごの関節のバランスが悪くなってしまいます。虫歯やかみ合わせの悪さがある人は、早めに歯医者さんにかかって治してしまいましょう。もちろん、普段から虫歯にならないようにケアすることも大切です。

頬杖をつかない・姿勢に気を付ける

頬杖や姿勢が悪い状態が続くと、あご周りの筋肉にも影響が出てきてしまいます。頬杖をつくと、片側のあごの関節が圧迫されてしまい、あごの位置のずれが生じます。また、姿勢が悪くなると、あごの下の筋肉が伸ばされてしまったり、後頭部の筋肉が縮んでしまったりするので、あごの動きに影響が出てきます。

うつぶせで寝ない

うつ伏せで寝ることにより、あごがずれるようなストレスが長時間かかってしまいます。そのため、寝る姿勢はできるだけ仰向けとします。あごがずれるようなストレスが、かからないようにすることが必要です。

舌の位置に気を付ける

普段、黙って作業をしていたり、テレビを見ていたりする時に、舌先はどこ触れているでしょうか?何もしていない時の舌の位置は、上の歯茎の根本にくっついているのが良い位置とされています。唇は閉じていても、歯を食いしばった状態ではないことが望ましいです。人によっては、安静時に過剰に食いしばっている人もいます。常にあごの力を入れていると、あごの関節にも負担がかかってしまいます。普段意識しない舌の位置ですが、顎関節症の人は気をつけてみてください。

精神的なストレスをため込まない

精神的なストレスを溜め込んでしまうと、顔面を担当している三叉神経という神経が過敏になってしまい、あごの筋肉が硬くなってしまいます。側頭筋というこめかみ付近の筋肉も硬くなってしまうことがあります。

精神的なストレスが原因のあごの痛みは広範囲に出やすく、痛みが強い特徴があります。口を開けづらくなってしまう人もいるほどなので、普段からストレスはため込まないようにすることが必要です。


顎関節症におススメのセルフストレッチをご紹介

ここからは顎関節にお悩みの方へ、簡単にできるセルフストレッチをご紹介します。

【顎関節にお悩みの方におすすめのストレッチ】

咬筋を伸ばすストレッチ

  1. 姿勢を正してあぐらをかきます。
  2. 両手で下あごに手を当てます。
  3. 横のあごから手のひらでほほを上に引き上げます。
  4. 横の頬に伸び感じながらを15~20秒キープ。
  5. これを左右互いに2〜3回繰り返します。

POINT:3のとき、手の手根と呼ばれる部分(手のひら)でほほを捉えて、上に引き上げるように行うとより効果的です。

顎関節症の予防や緩和にはストレッチを取り入れてみよう

今回は、顎関節症について解説してきました。ストレッチと聞くと、体幹や足などを思い浮かべる方も多いと思いますが、顔面や首にも多くの筋肉が存在しており、姿勢や生活の癖など、様々な影響を受けています。また、顎関節症は精神的なストレスも影響するため、心身共にメンテナンスすることが大切になります。ストレッチにもリラックス効果はあるため、今回ご紹介したストレッチだけでなく、全身のストレッチを取り入れていき、心の状態も整えていきましょう。


正しいストレッチ方法は「プロ」に頼ってみよう

Dr.stretchではお客様一人一人のお身体の状態に合わせたストレッチを提供しています。自己判断ではなく、プロのコアバランスストレッチトレーナーがあなたのお体をチェックし不調の原因や正しいケアの方法、またはお客様にあったセルフストレッチの提案などもサポートさせていただいてますので、是非気になる方がいましたら一度足を運んでみてください。ストレッチを習慣化させて辛くならないお身体を一緒に作っていきましょう。

参考文献

顎関節の痛み

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika1996/12/2/12_2_95/_pdf/-char/ja

節症の理学療法Ⅰ

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika1996/15/1/15_1_23/_pdf/-char/ja

顎関節症の理学療法Ⅱ

https://scholar.archive.org/work/ldf62pdx7bhxxpylvmci7g2pvi/access/wayback/https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika1996/15/2/15_2_49/_pdf

顎関節症の理学療法

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacd1999/20/3/20_3_357/_pdf/-char/ja

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