胸鎖乳突筋って何?硬くなった筋肉をほぐす簡単ストレッチ方法をご紹介

胸鎖乳突筋って何?硬くなった筋肉をほぐす簡単ストレッチ方法をご紹介

姿勢の悪さを自覚している人で、首や肩の痛みが出てしまっている人も多いのではないでしょうか?首の痛みには、胸鎖乳突筋が関係していると言われています。しかし、胸鎖乳突筋と唐突に言われても、わからない人がほとんどだと思います。今回の記事では、胸鎖乳突筋について解説し、胸鎖乳突筋をほぐすメリットや、簡単にできるストレッチをご紹介していきます。

胸鎖乳突筋ってどんな筋肉なの?

胸鎖乳突筋とは、首を支えている大きな筋肉です。胸の骨(胸骨)や鎖骨から耳の下・耳の後ろ(乳様突起)にかけて走行している筋肉です。筋肉がくっついている場所の名前をとって、胸鎖乳突筋という名前がついています。胸鎖乳突筋は、首を左右に回す動きを担当しています。胸鎖乳突筋の近くには、頸動脈も通っています。胸鎖乳突筋のあたりを頸動脈が通りすぎてから、顔面や頭の方に動脈が枝分かれして行きます。

胸鎖乳突筋は大きな筋肉なので、首スジとして外から見えやすい特徴があります。そのため、女性は胸鎖乳突筋が見えると、首がきれいに見えます。胸鎖乳突筋がしっかりと働かないと、左右に首を回した時に顎が上がりやすくなり、しっかりと首を回すことができなくなります。振り向いた時に顎が上がりやすくなりますので、どこか頼りない印象になってしまいます。

胸鎖乳突筋が衰えたり、硬くなると身体にどんな影響が出てくる?

胸鎖乳突筋の周りには、血管や神経が通っています。胸鎖乳突筋が衰えたり、硬くなったりするとどのような影響が出てくるのでしょうか。詳しく解説していきます。

顔がむくむ

胸鎖乳突筋が硬くなると、顔がむくむ可能性があります。胸鎖乳突筋の近くには、頸動脈が走っています。その頸動脈は、胸鎖乳突筋を通り過ぎた後に枝分かれし、顔面に向かいます。顔面に向かった後には、目の周りや頬あたりにも向かっていくので、枝分かれする前の根本的なところの血流が悪くなると、顔面がむくんでしまいます。目が重たい印象になったり、顔が大きく見えたりしてしまいます。

また、頸動脈は顔面だけでなく、頭の方にまで向かっていくので、血流が悪くなることで頭痛も出るかもしれません。

自律神経失調症になる

最近の研究では、胸鎖乳突筋の硬さが、自律神経の失調を引き起こすとされているようです。自律神経の働きがおかしくなってくると、よく眠れなくなってしまったり、うつ病になってしまったり、良いことがありません。首の筋肉の硬さが、とんでもない事態を引き起こすことも考えられます。

首が短くなる(顎の下がたるむ)

胸鎖乳突筋が硬くなると、頭が前に出て、アゴが上がるような姿勢になりやすいです。この姿勢は、猫背でテレビを見ているような姿勢です。首が肩に埋まってしまうような姿勢になるので、首が短くなるように見えてしまいます。首の前の筋肉・皮膚はたるんだ状態になるので、アゴの下がたるみます。顔のむくみと同様に、首からアゴにかけてのラインを気にされる方も多いと思いますので、胸鎖乳突筋の硬さには注意が必要です。

首が痛くなる

姿勢が悪くなると、胸鎖乳突筋に常に負担がかかってしまうようになります。筋肉は短く、硬くなってしまうため、筋肉自体の血流も悪くなってしまいます。筋肉の血流が悪くなってしまうと、痛みが出ます。研究でも、首の痛みの原因は胸鎖乳突筋の硬さであることが指摘されています。

肩こりが出る

胸鎖乳突筋が硬くなると、頭が前に出て、アゴが上がるような姿勢になることを上記で解説しました。この姿勢は、後頭部にある筋肉も短縮した状態にしてしまうため、肩こりにもつながります。肩甲骨の位置も崩れてしまうため、猫背にもなりやすくなります。

何故胸鎖乳突筋は衰えたり、硬くなるの?

首が曲がっている時間が長い

スマホを使用している時の、あなたの姿勢はどうなっていますか?おそらく、首が曲がって、下を向いてしまっている人が、ほとんどなのではないでしょうか。首が曲がった姿勢が長く続くと、胸鎖乳突筋は短縮した状態が続きます。さらに、首が曲がっている影響が背中、腰と広がっていきます。なので、猫背になってしまったり、背中が丸まる姿勢になってしまったり、全身の姿勢に影響が出てきます。

この首の悪い姿勢を回避するには、スマホを見る位置を工夫しなければなりません。なるべく首がまっすぐになるように、目線の高さまでスマホを持ち上げておく必要があります。このようにすると、首はまっすぐになりますので、背中や腰に与える影響も少なくなります。

姿勢が悪くなると胸鎖乳突筋が短縮する姿勢になる

胸鎖乳突筋が衰えたり、硬くなったりする原因としては、姿勢の崩れが考えられます。背骨は全体の影響を受けますので、首だけが悪い姿勢で、他の部分は良い姿勢のままになっているとは考えづらいものです。つまり、首の位置関係の悪さがあるということは、猫背や骨盤の角度など、他にも悪いところがあることが考えられます。悪い姿勢になってしまうと、頭が前に出てしまい、アゴが上がりますので、胸鎖乳突筋は短縮した姿勢となってしまいます。この姿勢が長く続くと、胸鎖乳突筋は短縮し、筋肉がうまく力を発揮できない状態になってしまい、次第に衰えていきます。

姿勢を改善するコツは、骨盤の角度に気を配ることです。骨盤が後ろに倒れてしまうと、その影響が背中、首と広がってしまうため、座る時には、なるべく骨盤が倒れないように、しっかりと椅子に深く腰掛けたり、クッションを使用したりして、なるべく良い姿勢を保つようにしてください。

アゴを引けなくなると、胸鎖乳突筋で首を曲げるようになる

首の筋肉は、胸鎖乳突筋以外にも、アゴを引く筋肉も存在します。首を曲げる時には、いくつかの筋肉を使いながら首を動かします。しかし、姿勢が悪く、アゴが上がった状態が続くと、アゴが引けなくなります。アゴが引けなくなると、首を曲げる時に胸鎖乳突筋ばかりに負担がかかってしまうため、胸鎖乳突筋の硬さが出てきてしまいます。

アゴが上がった姿勢は、頬杖をついていたり、悪い姿勢でパソコン作業をしていたりする時に見られやすいです。

長時間の作業になる時には、姿勢を正し、アゴを引く練習を定期的に行うと良いです。アゴを引く筋肉は強い力を必要としないため、軽めに力を入れる程度で十分です。

胸鎖乳突筋をほぐすと良いことだらけ!

ここからは、胸鎖乳突筋をほぐすことのメリットをお伝えしていきます。

顔面のむくみが取れる

胸鎖乳突筋の近くには、顔面にまで枝分かれしていく頸動脈があることを解説しました。血流が良くなることによって、むくみは取れて行きます。胸鎖乳突筋のストレッチを行い、頸動脈の流れが良くなることにより、目や頬の周りの血流も良くなり、顔面のむくみが取れていきます。小顔を目指すことが可能になります。

首が長く見える

胸鎖乳突筋がしっかりと伸ばされることにより、耳〜鎖骨までの距離を伸ばすことができます。肩を下げて、埋もれてしまった首を、元の位置まで戻すことができるので、首を長く見せる効果が期待できます。首〜鎖骨までのラインを、綺麗に見せることができます。

首のみではなく、猫背も解消できる可能性があるため、後ろから見た時の背中の丸みも軽減します。

首の痛みが取れる

研究では首の痛みの原因は、胸鎖乳突筋にあるとされています。筋肉自体の血流が良くなることにより、痛みが改善する効果が見込まれます。

肩こりが取れる

首の位置や、肩甲骨の位置が正しくなるので、肩こりに関係する首〜肩にかけての筋肉の負担も軽減することができます。全身的に姿勢が整うため、肩も動かしやすくなります。

胸鎖乳突筋をほぐすのに効果的なストレッチをご紹介

ここからは胸鎖乳突筋をほぐすのに効果的なストレッチを紹介していきます。

【胸鎖乳突筋をほぐすストレッチ①】

  1. あぐらをかいて座ります。
  2. 左手を背中に回し、首を右斜め後ろに傾けます。
  3. そのとき右手で鎖骨の上部あたりを下に引っ張るようにするとより効果的です。
  4. この状態を10~30秒キープします。
  5. これを左右2~3回繰り返します。


【胸鎖乳突筋をほぐすストレッチ②】

  1. あぐらを書いて座ります。
  2. 左手を背中に回し、首を右斜め後ろに傾けます。
  3. そのとき右手をあごの左側にあてて首をひっぱります。
  4. この状態を10~30秒キープします。
  5. これを左右2~3回繰り返します。

胸鎖乳突筋をストレッチして首美人へ

今回の記事では、胸鎖乳突筋とはどのような筋肉なのか、胸鎖乳突筋が衰えたり硬くなったりすると、どのようなことが起こるのか、などについて解説してきました。胸鎖乳突筋が衰えたり、硬くなったりするメカニズムとしては、日頃の姿勢の悪さが大きく影響していることが、お分かりいただけたと思います。そして、胸鎖乳突筋が硬くなると、様々な影響が出てきます。筋肉の痛みだけでなく、顔のむくみや自律神経にも影響が出てきますので、胸鎖乳突筋のコンディションを整えておくことは、非常に重要です。しかし、首は繊細な場所です。神経や血管も多く通っているため、自分でストレッチをすることが少し怖いと感じる方もいるかと思います。そんな時には、ストレッチのプロにお任せするのが良いでしょう。ドクターストレッチでは、専門的な知識と技術を持ったプロのトレーナーが、しっかりとコアバランスストレッチを行ってくれます。あなたは、脱力しているだけでトレーナーがストレッチしてくれるため、楽ちんで安心です。ストレッチは自分で行える部分も多いですが、繊細な場所だけにプロにお任せする選択肢もありかもしれません。

参考文献

Cervical muscle diseases are associated with indefinite and various symptoms in the whole body

https://link.springer.com/article/10.1007/s00586-019-06233-5

頸部屈筋群の筋厚と頭頸部屈曲テスト時の胸鎖乳突筋の筋活動量との関係

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2014/0/2014_0686/_pdf

二つのタイプの頭頚部うなずき動作における頚長筋、胸鎖乳突筋活動の超音波による検討

https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2012/0/2012_48101243/_pdf

姿勢変化が咬合機能時の胸鎖乳突筋の活動に及ぼす影響について

https://www.jstage.jst.go.jp/article/koubyou1952/62/1/62_1_29/_pdf

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