坐骨神経痛の原因と予防法!簡単にできるセルフストレッチをご紹介!

坐骨神経痛の原因と予防法!簡単にできるセルフストレッチをご紹介!

足の痺れや痛みは、坐骨神経痛というイメージがあると思います。坐骨神経とは、腰から枝分かれした神経のことを言い、腰が悪くなると坐骨神経痛が出てくる場合があります。運動不足や体の硬さが原因で腰に負担がかかり、坐骨神経痛につながるとされていますので、体を柔らかくしておく必要があります。今回の記事では、坐骨神経痛について解説し、自分で行えるストレッチについても解説していきます。


坐骨神経痛の症状とは?

坐骨神経痛の症状は、様々なものがあります。主に足の痺れや痛み、筋力低下、尿や便の問題と分けることができます。それぞれ、詳しく解説していきます。


おしり〜ふくらはぎにかけて痺れが出る

坐骨神経は、おしり〜足先にかけての感覚を担当している神経です。そのため、何らかの形で坐骨神経が圧迫されたり傷ついたりすると、おしり〜ふくらはぎにかけての痺れが出る場合があります。神経が障害される場所によっては、足の指先や足の裏などにも痺れが出る場合があります

足の筋力低下

坐骨神経は、足の感覚だけでなく、運動も担当しています。腰から複数の神経が枝分かれしますが、それぞれ担当している筋肉が決まっています。神経が障害されると、その神経が担当している筋肉の力が出なくなってしまうことがあります。

長時間歩くことが難しくなる

坐骨神経痛の症状が進行してくると、長時間歩くことが難しくなってきます。しばらく座って休むと、足の痛みや痺れが治まってくるため、また歩き出すことができます。しかし、再び症状が出てきてしまうので、休憩をしなければいけなくなります。症状がさらに進行すると、歩ける距離が極端に少なくなってしまい、歩くこと自体が難しくなってしまいます。

長時間座っていることが難しくなる

座っている姿勢は、背骨に意外と負担をかけているものです。背骨の負担のみ考えると、立っている姿勢の方が、負担は少ないと言われています。そのため、長時間座っていると、腰に負担がかかるため、足に痺れや痛みが出てしまう場合があります。

前屈動作が難しくなる 

床から物を持ち上げる動作や、庭仕事などで、前屈動作をすることも多いと思います。前屈動作は、座っている姿勢と同様に、背骨に負担をかける動作の一つです。特に膝を使わないで前屈動作をすると、背骨にかかる負担はかなり強くなってしまうので、腰に負担がかかるタイミングで坐骨神経痛の症状が出るという方もいます。

尿・便が出なくなる・我慢ができなくなる(感覚障害も含む)

坐骨神経が枝分かれする腰の神経は、排泄も担当しています。腰の部分で、神経が障害されていると、尿や便を出すことができなくなってしまったり、逆に我慢ができなくなってしまったりします。また、陰部の感覚障害が出ることもあります。このような症状が出た場合には、泌尿器科を受診する方も多いと思いますが、腰が原因の場合は、泌尿器科では問題が解決しないこともあります


坐骨神経痛の症状のセルフチェック

坐骨神経痛は、どのように症状が出てくるのでしょうか。坐骨神経痛の症状は、なかなか人にはわかってもらえない症状だけに、自分の症状がどのくらい深刻なのかわかりにくいと思います。ここでは、症状の重症度について解説していきます。あくまで一つの目安としてお考えください。

初期症状

初期症状としては、おしり〜ふくらはぎにかけての痺れや痛みが時々出る程度で、症状は長続きしない状態です。特定の動作や姿勢で症状が出ることがあり、症状が出る姿勢を避けるようになっていきます。

中期症状

坐骨神経痛の症状が進行してくると、おしり〜ふくらはぎにかけての痛みや痺れが出る頻度が増えてくるため、長時間歩くことや長時間の同じ姿勢が難しくなります。この頃から、横になって休むことが多くなってきます。一度症状が出てしまうと、痛みが引くまで時間がかかるようになってきます。

末期症状

末期になってくると、おしり〜ふくらはぎの痛みのために、歩くことがほとんど困難になってしまいます。また、足の痛みの症状だけでなく、排泄機能の障害も出てきます。尿や便を出すことが難しくなってしまったり、陰部の感覚障害が出てしまったりします。このような状態になってしまうと、神経部分の圧迫を解除してあげる手術が必要になることもあります。また、除圧をしてあげても腰の不安定性が心配される場合には、金属で腰骨を固定する手術が必要になってしまう可能性もあります。


坐骨神経痛の原因とは?

坐骨神経痛の原因とは、神経が圧迫されてしまったり、傷ついてしまったりすることに原因があります。人間は、背骨の中に神経の束である脊髄が通っています。頭から首、背中、腰と、色々な場所で神経が枝分かれし、手足の先端まで神経が行き届いています。この背骨の中の、脊髄が通っているトンネル部分を、「脊柱管」と呼びます。脊柱管の周りには、色々な組織があります。これらの組織が変形してくることにより、神経が圧迫されます。神経が圧迫された部位に応じて、様々な場所に様々な症状が出てしまいます。坐骨神経痛が出る原因の疾患として、大きく2つの疾患が考えられます。

腰部脊柱管狭窄症

先ほど説明した神経の通り道である脊柱管が、狭くなってしまう病気のことを言います。中年〜高齢の男性に、多く発症する疾患です。脊柱管の中には、靭帯があります。背骨に負担がかかる生活をしていると、靭帯が徐々に肥厚してしまい、神経に当たるほどの厚みになってしまうことがあります。また、靭帯だけでなく、椎間板の変形があったり、腰の骨自体の変形があったりして、神経を圧迫しているパターンもあります。いずれにせよ、神経の通り道、「脊柱管」が狭くなってしまうと、「腰部脊柱管狭窄症」と診断名がつきます。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、若い人に多い疾患です。脊柱管狭窄症とは違い、椎間板にある髄核という芯が、飛び出してしまう状態のことを指します。椎間板は、バームクーヘンのように何層にも繊維が重なるような構造になっており、芯にはビー玉のように髄核があります。急激な動作や外力により、椎間板の繊維が破れてしまい、芯の髄核が外に飛び出すイメージを持っていただけると良いと思います。髄核の飛び出し方にもよりますが、飛び出し方が重度だと、髄核を取り除く手術が必要になることもあります。脊柱管狭窄症と同様に、髄核で神経を圧迫してしまうため、坐骨神経痛に発展します

坐骨神経痛の予防や悪化させない方法

上記の疾患で解説したように、腰に負担がかかり続けると、坐骨神経痛を発症するリスクが上がります。ずっと座りっぱなしのデスクワークの人や、同じ動作を繰り返す重労働の人は坐骨神経痛のリスクがあると考えます。脊柱管狭窄症は、靭帯の肥厚や骨の変形などが関与してくるため、長年の腰へのストレスの積み重ねが原因になってきます。たとえ脊柱管の狭窄があったとしても、症状が出ない人もいます。これには、動きの要素が関与しているのではないかと、研究で語られています。そのため、日頃から腰の柔らかさを維持しておくことが、重要になってくることがわかります。

また、前傾姿勢が続くことにより、椎間板には圧がかかると言われています。なので、悪い姿勢になっていると、椎間板へのストレスが重なり、ヘルニアになる確率が増えると考えることができます。良い姿勢を維持するためにも、日頃の運動や定期的なストレッチが必要になります。特に体幹機能(腹筋や背筋)は重要になります。体幹機能が低下することで、前傾姿勢や反り腰など、腰にかかる負担は増えてしまいます。なので、筋力を落とさないことも重要になってきます。

ここで、自分でもできるストレッチをご紹介していきます。


坐骨神経痛の方に効果的なセルフストレッチをご紹介

ここからは坐骨神経痛に効果的なストレッチを2種類ご紹介します。

【坐骨神経痛にお悩みの方におすすめのストレッチ①】

深層外旋六筋(お尻の奥)を伸ばすストレッチ

  1. 膝を曲げたまま足を左右に開き座ります。
  2. 手を後ろについて、左足の膝を内側に少し倒します。
  3. 右足で左足のひざを押さえます。
  4. 骨盤が一緒に動こかないように行うとより効果的です。
  5. 後ろ足の外側~お尻にかけて伸び感じながら15~20秒キープします。
  6. これを左右互いに2〜3回繰り返します。

POINT:3.のとき、背中が丸まらないよう、背筋を伸ばして行うことを意識しましょう。

【坐骨神経痛にお悩みの方におすすめのストレッチ②】

中殿筋を伸ばすストレッチ

  1. 足を伸ばして座りましょう。
  2. 左ひざを曲げて、右足の外側に足を出します。
  3. 胸を張った状態で、両手で左ひざを抱えながら、ひざを胸に引き寄せます。
  4. 後ろ足の外側~お尻にかけて伸び感じながら15~20秒キープします。
  5. これを左右互いに2〜3回繰り返します。

POINT:3.のとき、背中を伸ばすことと、ひざを胸、もしくはおへそに近づけることを意識して行いましょう。


セルフストレッチでも改善されない場合には

今回ご紹介しているストレッチで症状が改善されない場合には、正確にストレッチが行えていない可能性も考えられます。自分ではストレッチがしにくかったり、なかなか続けることができなかったり、途中で挫折してしまう人もいるでしょう。そんな時には、ストレッチをプロに任せてみましょう。

ドクターストレッチでは、プロのトレーナーがコアバランスストレッチを提供します。自分で行うストレッチは、自分で動かせる範囲しか動かせないのに対し、マンツーマンで行うストレッチでは、自分で動かせる範囲以上に体を動かすことも可能です。また、100種類以上のストレッチの中から、あなたの体にあった内容のストレッチを選んでくれます。しかも、あなたはベッドに寝て、脱力しているだけでOKです。一度プロのストレッチを経験して、症状の変化を見てみるのも良いでしょう。


定期的な運動とストレッチで神経痛を予防

今回の記事では、坐骨神経痛について解説してきました。坐骨神経痛は、主に2つの疾患が原因で出現します。2つの疾患とは、脊柱管狭窄症腰椎椎間板ヘルニアです。両者とも、腰に負担がかかることにより、発症する疾患です。坐骨神経痛の症状としては、おしり〜ふくらはぎにかけての痺れや、痛みが特徴的でした。症状がひどくなってくると、痛みのために歩ける距離が極端に短くなってきたり、排泄に障害が出てきたりします。坐骨神経痛の予防のためには、良い姿勢を維持することが大切になります。良い姿勢でいられると、腰への負担を減らすことができます。今回ご紹介したストレッチを用いて、良い姿勢を維持してみてください。もし症状が改善しないようであれば、プロのストレッチを受けてみることも検討してみても良いでしょう。

参考文献

腰部脊柱管狭窄症 診療ガイドライン 2011
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/10/105_2007/_pdf

腰部脊柱管狭窄症による排尿障害の検討
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjurol1989/85/4/85_4_611/_pdf

腰部脊柱管狭窄症の診断と治療 ―ガイドラインを中心に―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/71/2/71_116/_pdf/-char/ja

腰部脊柱管狭窄症の病態について
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai1951/36/4/36_4_1225/_pdf/-char/ja

腰椎系における椎間板負荷の非侵襲的な推定法
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kikaic/78/791/78_2483/_pdf/-char/ja

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